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毅然と。
2019-07-05

私は、現在、56歳です。気力の上では20歳台、肉体的には30歳台、くらいかなと思っております。
しかし、下記に引用したようなことも、そのうち経験するのでしょう。老いることは、自然の成り行きです。受け容れながら、毅然と生きてまいりたいと思います。

 

 

以下引用です。

横田とは臨済宗管長の横田嶺南さん。五木とは作家の五木寛之さんです。

〈横田〉

五木さんを前に申し上げるのもなんですが、私もこの頃は、人生の下り坂に差しかかったことを実感することがあるんです。

 

〈五木〉

えっ、全然そういうふうには見えませんけれども(笑)。失礼ですが、横田さんはいまおいくつなんですか。

 

〈横田〉

今年54になります。

 

〈五木〉

うーん、まさに人生の盛りじゃありませんか(笑)。

 

〈横田〉

とはいえ、道元禅師は53で亡くなっていますからね。

 

私はその道元禅師の、坐禅は安楽の法門であるという教えを拠り所に、これまで一所懸命坐禅に取り組んでまいりましたし、いまも20代の修行僧たちと一緒に坐っています。けれどもこの頃は、結構くたびれることもあるようになりました。

 

一週間ほぼ寝ずに坐禅だけをする時もあるんですが、後でガタガタッと体が弱って寝込んでしまったり、だんだん若い人たちについていけなくなりつつあるのを痛感するんです。

 

これではいけないと思いましてね。いろいろと試行錯誤をして、去年から今年にかけて自分の坐禅を180度変えたんです。

 

〈五木〉

ほう、どのように変えられたのでしょう。

 

〈横田〉

これまでは意志の力で坐禅をしていました。腰をしっかり立てたり、吐く息を長くしたり、精神を丹田に集中させたり、いろんなことを意識しながらやってきたんです。けれども、そういう意識的にやっていたことを全部やめてみました。

 

そうやって全部手放してただ坐っていると、心の内から喜びが湧き上がってきたのです。それまで奥歯を噛み締めて、鬼の形相で坐禅をしてきましたが、ニコニコと微笑みがこみ上げてきました。私はそこで、すべてを手放して微笑みながら坐る坐禅というのもあるのではないかと発見しました。

 

〈五木〉

それはまさに自然法爾ということですね。法爾というのは、楽しみであり、喜びであると思うんです。

 

〈横田〉

ですから、泰道先生には「精いっぱい生きよう」と言われましたけれども、その「精いっぱい」に、「楽しんで、喜んで」が加わるような心境になってまいりました。そして、人生の下りには下りの景色の味わいがあるのではないかと思い始めたところです。

 

〈五木〉

私は昔から「下山の思想」ということを盛んに言ってきたんですけど、山を登っていく時の姿勢と、下りていく時の姿勢では重心のかけ方も違いますし、見ている世界も違いますよね。

 

必死で登坂している時は頂上を見ているだけで、他のことは考えられませんけれども、下山は一歩一歩踏みしめながら、優雅に下っていける。昔のことに思いを馳せることもできるし、遠くを眺めて、あぁ町がある、村がある、海が美しいって感動しながら下りていくこともできる。下山には、登りの時には味わえないそういう喜びもあるんです。

 

〈横田〉

今後は、そういうところにもっと注目していく必要がありますね。

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