実相寺の歴史と由来
祈祷道場としても名高く江戸城大奥の侍女たちの髪で造立された『植髪鬼子母神(うえがみきしぼじん)』様を祈祷本尊としておまつりしております。
江戸幕府との関係は特に深いものがあります。三代将軍徳川家光公が鷹狩の折り、にわかに病を発せられ、当山にご来臨。当時、法力無双と称せられていた第十六世日逞上人のご祈祷により平癒されたと伝えられております。この功績により、ご朱印三十石を御下賜、『八町権現』の別称を許され、併せて将軍拝謁の際の着用袈裟として『金糸金襴七条袈裟』を賜りました。
その後、水害のため、北西に約一キロほど移動いたしました。かつては現在の川口市領家4丁目6番のあたりにありました。この水害の際に文物の一部が流されたことはまことに残念なことです。檀信徒の命日などが記されている「過去帳」もこの水害の際に水に漬り、現在でもその跡がのこっており、当時の苦労がしのばれます。