万灯行列の熱い思い

現代の社会情勢を捉えながら、多くの方々とのお話し合いを通し、下記の3つの目的を行うために『万灯行列』を復活することに致しました。
現在の青少年をとりまく環境は最悪といってもいいかもしれません。親からは放任され、家庭は崩壊し、学校では満足な価値観を教えられずにおり、また、友達は多くても、本当に心を許しあえる親友は一人もいないなど、あげたらきりがありません。
その一方で、心無いマスコミからは青少年にとって有害な情報がどんどん流されております。「自由・人権」という素晴らしい最高の理念を曲解して、まだ、しっかりとした正しい判断を下せない子供達に「自己決定権」がある、と焚き付けて、混乱をあおっているようでもあります。
いまや、子供達は本来、家庭や学校で教えらるべき「人としての価値観」・「人としてのプライド」・「人としての思いやり」などはほとんど教えられずにいるのです。
その結果、どうなったかと言えば、援助交際でブランド品をあさる売春少女が繁華街を闊歩し、自分本位のストーカー犯罪、未成年者による凶悪(殺人)事件などが頻発するという事態に陥っています。
我々はどこに救いを求めればいいのでしょうか。
文部科学省も県や市の教育委員会も、公教育もこれらの問題に有効に対処できずにいるようです。
また、頼みのマスコミも、役所や学校の不備を指摘するだけで、本気でこの危機的状況を変えて行こうという論調のマスコミは少数のようです。
誰もしてくれない、誰もできないのなら、自分たちの手で地元の子供達を育てて行こうということになったのです。その一つの手段として万灯行列というお祭りを復活し、この行事を通して子供達とのコミュニケーションをはかり、その際に「人としての価値観・プライド・思いやり」の大切さを伝え、いわゆる「地域の教育力」を高めていくこととなったのです。
当山の有縁の方のお話しで興味深いものがあります。
この方は宮城県の塩竃(しおがま)神社の近くに住んでいたそうです。
高校生の頃は相当の不良で恐喝・シンナー・傷害事件・暴走行為など悪いことはなんでもやっていたそうです。この不良高校生が一番楽しみにしていたのが塩竃神社のお祭りでした。いつもの悪友同志で集まって楽しんでいたそうですが、そのとき、40代・50代・60代の元不良にいろいろと人生の成功話や失敗談を聞かされたといいます。この経験がもととなり、馬鹿なことは高校生で終わりにしようと、悪友どうしで話したといいます。
この方は社会的に成功し、社員さんを数十人抱える会社の社長さんとして活躍なさっています。塩竃神社のお祭りがなければ、塀の中で過ごすような人生を送っていたかも知れません、と申しておりました。
これこそが「地域の教育力」というものだと思うのです。地域の大人達がそこに住んでいる子供達にかかわっていってあげるのです。これによってその子供達の視点が広がり、本当の意味での自分らしい輝ける人生を生きていくことができると思うのです。これらの機会を少しでも多く子供達に提供するために、『万灯行列』は復活したのです。
この領家町ととなりの本町の違いがあるでしょうか?
ほとんど「違いはない」といえるでしょう。違いがないところには、その地域を大切にしようという機運は生まれません。
この町を大切にしておりますし、いとおしくさえあります。この気持ちが郷土愛といののかもしれません。